感染症のための住宅のプランは必要になるのか
- 2020.03.14
- やわらかな家
2020年3月現在、世界中で新型コロナウィルスがパンデミック状態となっております。
日本では比較的感染者数の増加が押さえられているようですが、これは日本人がきれい好きだからなのか、欧米人よりも挨拶などで人と接触するのが少ないからなのか、それともただ単にPCR検査などの実施数が少ないからなのかはっきりしたことはわかりません。
国も、医療関係者も恐れているのは、感染者数が増えて入院患者数が増え、ベッド数が足りなくなるなどの医療崩壊です。
厚生労働省の指針はあまり頼りにならず、他の病気の人まで悪化させてしまうかも知れないなどの抜け穴があります。
大阪府が出した指針で、感染者の状態によって指定された病院から自宅待機まで4段階に分けて対処するというのが、今の所いい方法に思われます。
ここまでずっと言われているのが、軽症の場合は自宅にいて外に出ないようにとのことです。
世帯は1人住まいから大人数の世帯までいろいろな構成要素を持っています。
そして家もワンルームから多くの部屋を持つ家、個室あり個室なしなどもいろいろです。
ひとり暮らしでというのなら、自分だけ隔離しておけばいいので、あまり問題はありません。
ただ、食料やその他必要なものを家族なり、行政が届けてあげるような仕組みを作るということが前提ですが、今現在はそのへんの詳しいことの情報は流れてきていません。
二人以上の世帯の場合は、自宅で隔離と言っても一緒に暮らしている人は感染の危険性が高いわけで、実際の事例でもそのように推移しています。
現実、今の日本の住宅事情では自宅における隔離というのが無理な気がします。
だからといって、医療機関を減らす方向で動いてきた政府がこれから病床数を安易に増やすとは思えません。
空いているホテルなどを政府が借り上げて、軽症の感染者を隔離するという方法くらいまでで収まればいいのですが、やはり感染者が多くなった場合は、自宅で隔離待機するしか方法が無くなってくるような気がしてなりません。
先程も言いましたように、今の日本の住宅では、家族からも隔離できるような空間を用意することが難しいのです。
これから、新築やリフォームをする方は、これらのことを留意してプランを考えて法が良いかも知れません。
何をそんないつ来るかわからないようなことのために用意できるのか?というような考えは、今現在の状況を見ればわかるのではないでしょうか。
具体的に、どのような動線、個室やユーティリティの作り方などいろいろと検討していかなければなりませんし、一人感染者が出てしまった時点でほかの家族も感染している確率が高いとするなら、何をやっても意味はないわけですが、それでも設計者に何かできるのであるのなら、考えるて発信していくことは意味のあることではないかと思います。
とりあえずは、普段使う個室はそれぞれにあって、その個室のひとつにトイレやシャワー室、ミニキッチン等の設備も併設している、いわばビジネスホテルくらいの感じの個室があるといいですね。
食事を渡すときなどのドア周りの工夫は必要でしょう。
これは最低限として、どうしたら自宅隔離に耐えられるプランや工夫ができるかどうか、みなさんも考えるべき時が来ているのかも知れません。
でも本当はそこまでしなくてもいいような社会のバックアップが欲しいところですが、それはなかなか難しいでしょう。
せめて隔離設備としてのトイレ・シャワー室などを作るための補助金を出すようにするとかでしょうか。
残念ながら多くのことを自分、自分たちで守っていくしかないという、現実の社会なのです。
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